品質は葡萄畑で育つ

オーストリアで学んだ言葉を信念として、健全で適熟のぶどうを生産し、ワインの原料としています。ぶどうの味をできるだけ引き出すために、醸造はもろみやワインに負荷をかけないよう丁寧に作業を行います。生まれ育った大迫の気候風土を活かし、「柔らかいが芯のある」味わいを目指しています。

上画像はマンズレインカット(雨よけ垣根)方式の畑

オーストリアのあるワイナリーの方のお話しで「ワインはつくられるものではなく、生活の中で自然に生まれるもの、すなわち文化なのです」。この言葉でヨーロッパの味を追い求めるのではなく、大迫の気候風土から生まれる最上のワインを目指し、食文化の一つになれるようにと考えるようになりました。

高橋葡萄園概要

葡萄畑の所在地 岩手県花巻市大迫町亀ヶ森
栽培品種・面積 リースリング・リオン / 25a
ミュラートゥルガウ / 17a
ツヴァイゲルトレーベ / 8a
植栽年 1996年(樹齢17年目)
栽培方式 マンズレインカット方式(雨よけ垣根)
土壌 沖積土壌 水はけのよい水田から転作
栽培管理について

健康な樹体を育てるために、ぶどうの様子をよく観察しながら管理を進めています。草生栽培で自然の草を生やして年4〜5回草刈をします。土中微生物の活動を活発にするため除草剤は2012年から使用していません。農薬は必要に応じて散布します。収穫前に病害果や裂果した果粒を取り除き、収穫時にも病害果・裂果は取り除きます。健全果のみをワインの原料としています。

右画像は草生栽培の葡萄畑

醸造管理について

2012年は秋田県鹿角市の「ワイナリーこのはな」に委託醸造を受けていただき、3品種で合計2,600kgを仕込みました。

醸造方法については自分の思うようにさせていただきました。もろみやワインにできるだけ負荷をかけず、ぶどうの持つ味わいを引き出す醸造管理を心掛けています。発酵のスタートには乾燥培養酵母を使用しています。

SO2(亜硫酸塩)は微生物汚染を防ぐために破砕除梗後、貯蔵管理中に必要最小限の量を添加しています。

もろみの移動は負荷を少なくするためポンプを使用せずバケツ等で移動し、ワインは上澄みをポンプで移動してオリ引きを行い、オリは布製のフィルターでろ過します。

非加熱でビン詰めを行っています。

栽培醸造責任者

高橋喜和
Takahashi Yoshikazu

1971年 岩手県稗貫郡大迫町(現・花巻市大迫町)生まれ
エーデルワイン、自園自醸紫波ワイナリーの醸造担当、責任者を経て独立。オーストリアへワイン醸造留学。クロスターノイブルグワイン学校にてワイン造りを学ぶ。